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3つの塗料の特徴と
メンテナンスについて

塗料には大きく分けて浸透性/塗膜性の二種類があります。それぞれの特徴やメリット・デメリットはありつつ、私たちは「メンテナンスができる」という最大の利点から「浸透性」の塗料をオススメしています。

塗料の選択では自然由来か化学系か、どちらが体にいいか悪いかというお話をよく聞くと思います。もちろんそれもあります。でも、テーブルを長く使いつなげていくとお手入れが必要になってくることがあるので、自分でメンテナンスできる塗料を選ぶことがとても大切です。

また木材の呼吸を妨げない点でも、「浸透性」塗料はおすすめできます。木材の香りに含まれる「フィトンチッド(Phytoncide)」にはたくさんの良い効果があることが分かってきているのです。フィトンチッドは、およそ100年前にロシアの研究者ボリス・トーキンによって発見された、植物が身を守るために揮発する物質です。

木そのものには抗菌性が備わっており、またそれだけでなく、人のストレスホルモンを低下させるリラックス効果と結びつけた研究もあります。つまり、木の呼吸を閉じ込めてしまうのはとてももったいないのです。

こうしたことをふまえて、それぞれを塗装したテーブルの特徴を詳しく見てみましょう。

オイル塗装

浸透性の代表例は〈オイル塗料〉です。木そのものの風合いや質感を残したまま、水をはじき汚れにくいテーブルにすることができるのが特徴。

そんなオイル塗料のなかでも、ヒダコレが使っているオイル〈リグナF〉をご紹介します。

玄玄塗料さんの〈リグナF〉は木の手触りを損なわない透明の国産オイルです。

木理(もくり)を強調しつつも自然な風合いに仕上がり、撥水・防汚性にも優れます。

成分はアマニオイルとミツロウのみ。人体に有害な成分を含まない植物系素材のみを用いているのも嬉しいですね。

気泡の発生や塗りムラによる剥がれなどの心配が少ない塗料です。

一方で、オイル塗装は完全にテーブルを保護するわけではありません。そこで一度、「メンテナンスしづらい」とはいえ保護力の高い塗膜性のメリットについてもいくつか確認しておきましょう。

ウレタン塗装

塗膜性の〈ウレタン塗装〉はテーブル表面にうすい膜をつくるので、木そのものにはシミがほとんどつきづらいのが特徴です。また、比較的テーブル表面が硬くなるため、キズもつきづらい。さらに、オイルやラッカー塗装と比べてカラーバリエーションも豊富です。

けれど、やはり長期的な視点に立てばメンテナンスができない〈ウレタン塗装〉はお薦めできません。

たとえば、ピアノの上で毎日食事をすることを想像してみましょう。キズの心配をしながら使うのはちょっと神経を使いますよね。塗膜のあるテーブルとはピアノのようなものに近いのです。たしかにすこしのことでは問題は起きないですが、いつか思いがけずキズができてしまった時には目も当てられません。

もし〈ウレタン塗装〉のテーブルにキズができてしまった場合には、すべての塗装を剥がして全面塗装しなければならないため、工場での修理が必要になります。運送費も掛かるから、結局新品を買った方が安い。なんてことにも。

といっても、せっかく買ったテーブルをしっかり守ってくれる塗料があるといいですよね。ここで高い保護性や防汚性をもちつつも浸透性の〈ガラス塗装〉をご紹介します。

ガラス塗装

シリカと呼ばれるケイ素を主成分とするセラミック塗料は、もともと文化財や建造物への落書き防止を目的として開発されました。

それが木製の家具にも有効であることに注目した兵庫の小さな会社が開発したのが、ここでお勧めするガラス塗料〈tatara〉(https://tatara-hanbai.com/)です。

「ガラス」と聞くと、せっかくの木のぬくもりが台無しになってしまうのでは?と心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、浸透させると木本来のさらりとした質感そのままで高い撥水性を見せてくれます。

オイル塗装の仕上がり感や木の呼吸性はそのままに、より高い耐久性や防汚性、抗菌性などを兼ね備えています。

特に、オイル塗装ではどうしてもできてしまう輪ジミへの対策としても有効であることが試験によって証明されています。

「シリカ」「シリコン」は、どこか化学合成物質のような印象も与えますが、自然界に豊富に存在し、人の骨や髪、皮膚などにも含まれる成分です。

〈tatara〉は、もちろん食品安全基準試験をクリアしており、カトラリーや酒器にも、またその不燃性から飛行機機内のカーテンやシートなどにも幅広く活用されています。

初心者でも簡単にムラなく仕上げることのできる作業性もあることから、ご自宅でのメンテナンスにも心配が不要です。難点を挙げるとすれば、オイル塗料と比べやや高価であることでしょうか。

いくら対策されていても特にキズやヨゴレがついてしまうのは仕方がないことです。

だからこそ、私たちは起きてしまった後にメンテナンス可能であるかどうかをもとにした塗装の選択をお勧めしています。

具体的なメンテナンス方法に移る前に、最近明らかになった「ヨゴレ」の新事実をお伝えしておきます。